日日是好日
2004年に閉店したビデオショップ「13号倉庫」のその後の足取りや、ビデオ、映画に限らず、日日是好日な話を記録するブログです。
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転載(16)
●映画主義者 深作欣二(03)立松和平著 文芸春秋刊
深作欣二監督の作品は何だかんだ言いながらも6割程度しか見ていないのだが、やはり巨匠というか、それなりの特筆すべき作家の一人です。ただし、それは最後の2本を除いての話。バトル・ロワイヤル1、2(2は未見)。自分としては、この2本がとてもひっかかる。この本の作者が言う、「映画主義者 深作欣二」はそこの所は、どの様に考えていたのだろうか?。もちろん著者の回答は無い。
深作監督の死後、数ヶ月でこの本は書店に並んだ。はっきり言っておこう。この本は、映画作家、深作欣二の全仕事を分析、解析、評価する本ではない。作者の深作監督への思いこみが溢れている本でもない。むしろ、映画製作途中に、監督が亡くなられたという人生のドラマに、この小説家は一寸だけ、反応しただけではないのだろうか?。
確かに、人の生死はそれだけで充分ドラマにはなる。しかし、問題は、そのドラマのリアリティではないだろうか?。その点に於いて、深作監督という素材は死後、数ヶ月で一冊の本が出来る程の簡単なものではないのではないか?
また、この作者がどれだけ、素材としての深作監督に肉薄していたのかと言う所でも疑問点は出てくる。近年、刊行され一部のファンの間で話題になった「昭和の劇」などの素直な影響が見られるが、定評のある(自分は「昭和の劇」はあまり買わない。特に後半、聞き手のシナリオ・ライターの同業者インタビュー大会には閉口した)本からの引用により、内容を補強しようという意図が見え見えである。
そして、安易というか、何というか、深作監督と言えば「仁義なき戦い」である。大ざっぱに見れば、深作監督の謎をひもとく鍵は、やはり、此処にあるのだろう。しかし、それは、「仁義なき戦い」を100回見たという人の言葉の中にあるわけではない。たった一回であろうが、100回であろうが、それを見た人の人生の生き様によって、その感想は重くも軽くもなるのではないか。
ちなみに、エピローグで紹介されている「仁義なき戦い 浪漫アルバム」には、それほどの重要な言葉は一つもなかった。更にその本には、浪漫のかけらさえも無かった。
結局、骨格になるようなネタは、ほとんど、他からの引用のようなものである。それも、手当たり次第ならまだしも、参考文献をみる限り、かなり、ひ弱な補強にしかなっていないのではないか?。これ以上のディープな参考文献はたくさん有るはずだ。
巻頭から末尾まで、約280頁、インタビューでも、聞き書きでもなく、評論でもなく、エピソードの羅列でもない。深作欣二という強烈な映画監督がいた、という印象を与えるでもない。この作家の本は、これが初めてだったが、余りにも安易な姿勢が目立つ、スカスカ本であった。それにしても、映画業界、ちょっとナメられていないか?。(2003.11.9)
13号倉庫のHP
http://bsouko.hp.infoseek.co.jp/
深作欣二監督の作品は何だかんだ言いながらも6割程度しか見ていないのだが、やはり巨匠というか、それなりの特筆すべき作家の一人です。ただし、それは最後の2本を除いての話。バトル・ロワイヤル1、2(2は未見)。自分としては、この2本がとてもひっかかる。この本の作者が言う、「映画主義者 深作欣二」はそこの所は、どの様に考えていたのだろうか?。もちろん著者の回答は無い。
深作監督の死後、数ヶ月でこの本は書店に並んだ。はっきり言っておこう。この本は、映画作家、深作欣二の全仕事を分析、解析、評価する本ではない。作者の深作監督への思いこみが溢れている本でもない。むしろ、映画製作途中に、監督が亡くなられたという人生のドラマに、この小説家は一寸だけ、反応しただけではないのだろうか?。
確かに、人の生死はそれだけで充分ドラマにはなる。しかし、問題は、そのドラマのリアリティではないだろうか?。その点に於いて、深作監督という素材は死後、数ヶ月で一冊の本が出来る程の簡単なものではないのではないか?
また、この作者がどれだけ、素材としての深作監督に肉薄していたのかと言う所でも疑問点は出てくる。近年、刊行され一部のファンの間で話題になった「昭和の劇」などの素直な影響が見られるが、定評のある(自分は「昭和の劇」はあまり買わない。特に後半、聞き手のシナリオ・ライターの同業者インタビュー大会には閉口した)本からの引用により、内容を補強しようという意図が見え見えである。
そして、安易というか、何というか、深作監督と言えば「仁義なき戦い」である。大ざっぱに見れば、深作監督の謎をひもとく鍵は、やはり、此処にあるのだろう。しかし、それは、「仁義なき戦い」を100回見たという人の言葉の中にあるわけではない。たった一回であろうが、100回であろうが、それを見た人の人生の生き様によって、その感想は重くも軽くもなるのではないか。
ちなみに、エピローグで紹介されている「仁義なき戦い 浪漫アルバム」には、それほどの重要な言葉は一つもなかった。更にその本には、浪漫のかけらさえも無かった。
結局、骨格になるようなネタは、ほとんど、他からの引用のようなものである。それも、手当たり次第ならまだしも、参考文献をみる限り、かなり、ひ弱な補強にしかなっていないのではないか?。これ以上のディープな参考文献はたくさん有るはずだ。
巻頭から末尾まで、約280頁、インタビューでも、聞き書きでもなく、評論でもなく、エピソードの羅列でもない。深作欣二という強烈な映画監督がいた、という印象を与えるでもない。この作家の本は、これが初めてだったが、余りにも安易な姿勢が目立つ、スカスカ本であった。それにしても、映画業界、ちょっとナメられていないか?。(2003.11.9)
13号倉庫のHP
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