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転載(3)

映画を見ないで、映画のお話             

もう、とっくに公開されていると思っていた"エロイカ"いや、「ユリイカ」(青山真治監督作品)。新世紀、正月第二弾と言う訳でもなく、何故か、ひっそりと単舘公開になった様です。カンヌか何処かの映画祭で優秀賞か何かを獲ったほどの素晴らしい作品だそうですが、残念ながらまだ見ていません。しかし、それだけの作品であるにも関わらず、何故公開がこんなに遅れたのでしょう?。普通に考えれば、映画祭評判の勢いに乗って、タイミング良く劇場公開と思うのですが……。

去年(世紀末)は、映画宣伝の安易さが目立つ年でもありました。某監督、奇跡のカムバック・イベントとなってしまったあの作品。昔の名作タイトルを全面に押しだし、見事に一般観客を裏切ったあの作品(この監督の他の作品が、この国の映画雑誌の世紀末ベスト1を、総ナメにしています)。意味があるのかないのか、国会議員があーだ、こーだと物議を醸しだし、変に話題を盛り上げてしまったあの作品(国会議員の皆様にこそ、任期終了間際に、あのゲームをやって欲しいと思います。勝者は次期総理大臣でも良いんじゃないですか?)。それぞれの作品は、それなりに話題性は浸透しているとは思いますが、派手な宣伝の影に隠れて、肝心の映画の中味の「売り」は何処にいってしまったのでしょうか?。その辺は、全然見えていなかった様な気がします。

そして、"エロイカ"いや、「ユリイカ」の封切り当日、TV「王様のブランチ」での宣伝プロモーションが行われていました。映画の売りは、1、白黒。2、シネスコサイズの大画面。3、3時間37分の上映時間〈封切りは長時間の為、特別料金2500円らしい〉。それでもって、映画の内容はと言うと、バスジャックの話らしいのですが、いま一つ要領が得ませんでした。司会者の方も、どう紹介したら良いのか困り果てていたのはTV画面からも充分伝わって来ました(その辺は、ナマ放送の恐さです)。今時、白黒で、大画面で、長時間、特別料金の映画なんて、外国人はいざ知らず、日本人の誰が見るのでしょう。

観客、興行を無視して、初めて成り立つ作家性の濃い作品。プログラム・ピクチャー崩壊以後、制作費のかかる娯楽映画がほとんど制作されなくなった現在、優秀なベテラン監督が作品を撮る機会が急速に減り、「ユリイカ」の様な、娯楽性のない作品がメインストリートを跋扈する。松竹「男はつらいよ」終了後、この国から、まともな娯楽映画は消えて無くなってしまったのでしょうか?。

はっきり、言っておきます。ボクは、アホな映画評論家や、一部の映画ファンを一蹴するような、パワーのある監督の作品を見たいと思います。ハッキリと核心を突いた宣伝をしている、ちゃんとした「映画」が見たいと思います。その限りにおいても、"エロイカ"いや、「ユリイカ」の宣伝は、あまりにもひ弱で軟弱と言わざる終えません。こと公開、宣伝に関しては、戦略、策略を張り巡らせたあげく、映画公開のタイミングを見事にハズしたような感じがします。興行的なハンディを考えると、よく公開出来とも思えますが、日本国内での興行的価値と作家性のアンバランスは近年の日本映画の一寸した問題点ではないでしょうか。もっとも、世界を目指す彼らにとって、こんな事は重要な事では無いのかも知れません。そうだとすると、この国の映画観客はかなりナメられているのではないでしょうか。
 この映画、あまり積極的に見たいとは思いませんが、その内機会があれば、じっくり鑑賞させて戴きたいと思っています。

止めろとは言わん。撮らんでくれ  (生きろとは言わん。死なんでくれ――映画宣伝コピーより) (2001.1.29)

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